キャリアアップ助成金正社員転換コース受給方法をわかりやすく解説!

従業員
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厚生労働省が実施しているものの中に、キャリアアップ助成金という制度があります。

これは、非正規労働者を減らし、会社の経営や雇用の維持・促進を助成することを目的とした、公的助成金の一つです。

正社員転換コースは、キャリアアップ助成金の一つであり、非正規労働者から正社員への転換または直接雇用した場合に助成金が支払われます。

特に、正社員転換コースは、他の助成金に比べて、従業員の雇用をうまく活用すれば受給できる可能性の高い助成金になるので、受給方法などは把握しておいて損はありません。

しかし、助成金の受給申請しようにも、受給要件や受給方法などは複雑であるため、難しく感じてしまいますよね(^^;

ここでは、キャリアアップ助成金の正社員転換コースの受給対象や助成金額、受給方法などについて、詳しく見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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キャリアアップ助成金とは?どのような制度なのか?

キャリアアップ助成金とは、非正規労働者のキャリアアップを支援するための取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度のことをいいます。

これは、労働者の雇用の安定、処遇の改善を推進することを目的とした制度になります。

キャリアアップ助成金は、以下の7つのコースに分類されています。

  • 正社員転換コース(正社員化コース)
  • 賃金規定等改定コース
  • 健康診断制度コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

これらのコースをうまく活用することができれば、必要経費であるものを国から援助してもらいながら人材確保・人材育成等が可能になるため、会社には大きいメリットがあるといえます。

従来は、「正社員化コース」「人材育成コース」「処遇改善コース」の3コースが設けられていましたが、現在では7コースに増えています。

働き方の多様化などの現状を踏まえて、社会の変化に対応するために何度も改定が行われているため、今後も改定される可能性が十分にあります。

改定が行われた場合には、受給要件や受給方法も異なる可能性があるため、助成金を申請する場合には適宜確認するようにしましょう。

今回は、キャリアアップ助成金の「正社員転換コース(正社員化コース)」について、詳しく見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

キャリアアップ助成金の正社員転換コースをわかりやすく解説!

それでは、キャリアアップ助成金の正社員転換コースについて、わかりやすく解説していきたいと思います。

キャリアアップ助成金の正社員転換コースとは?

キャリアアップ助成金の正社員転換コースとは、就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定した制度に基づき、有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成金が支給されます。

また、有期雇用労働者を無期雇用労働者に転換した場合にも、助成金が支給されるのが特徴です。

キャリアアップ助成金の正社員転換コースの対象とは?

それでは、キャリアアップ助成金の正社員転換コースの対象についてまとめましたので、順に見ていきましょう。

従業員の場合

次の①~⑨のすべてに該当する従業員が、支給対象となります。

①次の1~4のいずれかに該当する労働者であること
  1. 支給対象事業主に雇用される期間が通算して6ヶ月以上の有期雇用労働者
  2. 支給対象事業主に雇用される期間が6ヶ月以上の無期雇用労働者
  3. 6ヶ月以上の期間継続して同一の業務に従事している有期または無期派遣労働者
  4. 支給対象事業主が実施した有期実習型訓練を受講し、修了した有期雇用労働者
②正規雇用労働者等への転換を約束した有期雇用労働者等でないこと

最初から、正規雇用労働者等への転換を約束した状態で雇用契約を結んだ有期雇用労働者等である場合には、支給対象にはなりません。

③次の1または2のいずれかに該当する労働者等でないこと
  1. 有期雇用労働者等から正規雇用労働者に転換または直接雇用される場合、当該転換日または
    直接雇用日の前日から過去3年以内に、当該事業主の事業所において正規雇用労働者として雇用されたことがある者
  2. 無期雇用労働者に転換または直接雇用される場合、当該転換日または直接雇用日の前日から
    過去3年以内に、当該事業主の事業所において正規雇用労働者または無期雇用労働者として雇用されたことがある者

また、1と2において、請負もしくは委任の関係にあった者または取締役、社員、監査役、協同組合等の社団または財団の役員であった者に該当する場合も支給対象にはなりません。

④転換または直接雇用を行った適用事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外の者であること

つまり、適用事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族は支給対象にはなりません。

⑤障害者の就労継続支援A型の事業所における利用者以外の者であること

障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律施行規則に規定している就労継続支援A型の事業所における利用者である場合には、支給対象にはなりません。

⑥支給申請日において、転換または直接雇用後の雇用状態が継続している者であること

支給申請日において、転換または直接雇用後に離職した場合には、支給対象にはなりません。

ただし、本人の都合による離職および天災その他やむを得ない理由のために、事業の継続が困難となったことによる解雇または本人の責めに帰すべき理由による解雇を除きます。

⑦支給申請日において、正規雇用労働者については有期雇用労働者、または無期雇用労働者については有期雇用労働者への転換が予定されていない者であること

支給申請日において、正規雇用労働者から有期雇用労働者、無期雇用労働者から有期雇用労働者への転換が予定されている場合には、支給対象にはなりません。

⑧転換または直接雇用日から定年に達する日までの期間が1年以上ある者であること

雇用形態に定年制が適用されており、転換または直接雇用日から定年に達する日までの期間が1年未満である場合には、支給対象にはなりません。

⑨支給対象事業主または密接な関係にある事業主の事業所において定年を迎えた者でないこと

⑧と同様、従業員が定年を迎えた場合、もしくは、定年から1年未満の者である場合には、支給対象にはならないと考えて良いでしょう。

事業主の場合

事業主の場合の支給対象は、簡潔にまとめると以下のようになります。

  • 雇用保険を適用していること
  • 正社員等への転換制度を労働協約または就業規則等に規定していること
  • キャリアアップ管理者を置いていること
  • キャリアアップ計画書を作成しており、労働局の認定を受けていること
  • キャリアアップ計画期間内に正社員または無期雇用労働者への転換をしたこと
  • 対象労働者を転換後も6ヶ月以上継続して雇用していること

原則では、これらの要件を満たしているのであれば、支給対象として認められます。

より具体的な内容については、下記をご覧ください。

①有期雇用労働者を正規雇用労働者、または無期雇用労働者に転換する場合、および
無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する場合

次の1~16のすべてに該当する事業主が支給対象となります。

  1. 有期雇用労働者等を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する制度を労働協約または就業規則その他これに準ずるものに規定している事業主であること
  2. 1の規定に基づき、雇用する有期雇用労働者を正規雇用労働者もしくは無期雇用労働者に転換、または、無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換した事業主であること
  3. 2により、転換された労働者を転換後6ヶ月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して転換後6ヶ月分の賃金を支給した事業主であること
  4. 多様な正社員への転換の場合にあっては、1の規定に基づき転換した日において、対象労働者以外に正規雇用労働者(多様な正社員を除く)を雇用していた事業主であること
  5. 支給申請日において当該制度を継続して運用している事業主であること
  6. 転換後6ヶ月間の賃金を、転換前6ヶ月間の賃金と比較して、5%以上増額させている事業主であること
  7. 転換後の基本給および定額で支給されている諸手当の合計額を、転換前と比較して低下させていない事業主であること
  8. 当該転換日の前日から起算して6ヶ月前の日から1年を経過する日までの間に、当該転換を行った適用事業所において、雇用保険被保険者を解雇等の事業主の都合により離職させた事業主以外の者であること
  9. 当該転換日の前日から起算して6ヶ月前の日から1年を経過する日までの間に、当該転換を行った適用事業所において、雇用保険法第23条第1項に規定する特定受給資格者となる離職理由のうち離職区分1Aまたは3Aに区分される離職理由により離職した者として同法第13条に規定する受給資格の決定が行われたものの数を、当該事業所における当該転換を行った日における雇用保険被保険者数で除した割合が6%を超えている事業主以外の者であること
  10. 1の制度を含め、雇用する労働者を他の雇用形態に転換する制度がある場合、その対象となる労働者本人の同意に基づく制度として運用している事業主であること
  11. 正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換した日以降の期間について、当該者を雇用保険被保険者として適用させている事業主であること
  12. 正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換した日以降の期間について、当該者を社会保険の被保険者として適用させている事業主であること
  13. 母子家庭の母等または父子家庭の父の転換に係る支給額の適用を受ける場合、当該転換日において母子家庭の母等または父子家庭の父の有期雇用労働者等を転換した者であること
  14. 若者雇用促進法に基づく認定事業主についての35歳未満の者の転換に係る支給額の適用を受ける場合、当該転換日より前に若者雇用促進法第15条の認定を受けていて、当該転換日において35歳未満の有期雇用労働者等を転換し、かつ、支給申請日においても引き続き若者雇用促進法に基づく認定事業主であること
  15. 勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度に係る加算の適用を受ける場合、キャリアアップ計画書に記載されたキャリアアップ期間中に、勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度を新たに規定し、有期雇用労働者等を当該雇用区分に転換した事業主であること
  16. 生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合にあっては、当該生産性要件を満たした事業主であること
②派遣労働者を正規雇用労働者、または無期雇用労働者として直接雇用する場合

次の1~16のすべてに該当する事業主が支給対象となります。

  1. 派遣労働者を正規雇用労働者または無期雇用労働者として直接雇用する制度を労働協約または就業規則その他これに準ずるものに規定している事業主であること
  2. 派遣先の事業所、その他の派遣就業場所ごとの同一の組織単位において、6ヶ月以上の期間継続して同一の派遣労働者を受け入れていた事業主であること
  3. 1の規定に基づき、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者を正規雇用労働者または無期雇用労働者として直接雇用したものであること
  4. 1により、直接雇用された労働者を直接雇用後6ヶ月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して直接雇用後6ヶ月分の賃金を支給した事業主であること
  5. 多様な正社員として直接雇用する場合にあっては、1の制度の規定に基づき直接雇用した日において、対象労働者以外に正規雇用労働者(多様な正社員を除く)を雇用していた事業主であること
  6. 支給申請日において当該制度を継続して運用している事業主であること
  7. 直接雇用後の6ヶ月の賃金を、直接雇用前の6ヶ月間の賃金と比較して、5%以上増額させている事業主であること
  8. 当該直接雇用日の前日から起算して6ヶ月前の日から1年を経過する日までの間に、当該直接雇用を行った適用事業所において、雇用保険被保険者を解雇等の事業主の都合により離職させた事業主以外の者であること
  9. 当該直接雇用日の前日から起算して6ヶ月前の日から1年を経過する日までの間に、当該直接雇用を行った適用事業所において、特定受給資格離職者として雇用保険法第13条に規定する受給資格の決定が行われたものの数を、当該事業所における当該直接雇用を行った日における雇用保険被保険者数で除した割合が6%を超えている事業主以外の者であること
  10. 1の制度を含め、雇用する労働者を他の雇用形態に転換する制度がある場合に、その対象となる労働者本人の同意に基づく制度として運用している事業主であること
  11. 正規雇用労働者または無期雇用労働者として直接雇用した日以降の期間について、当該者を雇用保険の被保険者として適用させている事業主であること
  12. 正規雇用労働者または無期雇用労働者として直接雇用した日以降の期間について、当該者を社会保険の被保険者として適用させている事業主であること
  13. 母子家庭の母等または父子家庭の父の直接雇用に係る支給額の適用を受ける場合、当該直接雇用日において母子家庭の母等または父子家庭の父の派遣労働者を直接雇用した者であること
  14. 若者雇用促進法に基づく認定事業主についての35歳未満の者の直接雇用に係る支給額の適用
    を受ける場合、当該直接雇用日より前に若者雇用促進法第15条の認定を受けていて、当該直接雇用日において35歳未満の派遣労働者を直接雇用し、かつ、支給申請日においても引き続き若者雇用促進法に基づく認定事業主であること
  15. 勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度に係る加算の適用を受ける場合、キャリアアップ計画書に記載されたキャリアアップ期間中に、勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度を新たに規定し、有期雇用労働者等を当該雇用区分に直接雇用した事業主であること
  16. 生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合、当該生産性要件を満たした事業主であること

 

キャリアアップ助成金の正社員転換コースの助成金額は?

キャリアアップ助成金の正社員転換コースの助成金額は、以下の通りです。

  1. 有期→正規:1人あたり57万円72万円
  2. 有期→無期:1人あたり28万5000円36万円
  3. 無期→正規:1人あたり28万5000円36万円

一方、中小企業における助成金額は、以下の通りです。

  1. 有期→正規:1人あたり42万7500円54万円
  2. 有期→無期:1人あたり21万3750円27万円
  3. 無期→正規:1人あたり21万3750円27万円

企業または中小企業に生産性の向上が認められる場合には、実際の支給額よりも多い金額が受け取れる可能性があります。

派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者または多様な正社員として直接雇用した場合

1と3の場合:1人当たり28万5000円36万円】(大企業も同額)

母子家庭の母等または父子家庭の父を転換等した場合

1の場合:1人当たり9万5000円12万円】(大企業も同額)

2と3の場合:1人当たり4万7500円6万円】(大企業も同額)

若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合

1の場合:1人当たり9万5000円12万円】(大企業も同額)

2と3の場合:1人当たり4万7500円6万円】(大企業も同額)

勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、有期雇用労働者等を当該雇用区分に転換または直接雇用した場合

1と3の場合:1人当たり9万5000円12万円】(大企業:7万1250円9万円】)

ただし、こちらの助成金は1事業所あたり1回のみの受給になります。

 

キャリアアップ助成金の正社員転換コースの受給方法は?

キャリアアップ助成金の正社員転換コースの受給要件に該当している場合には、支給申請を行うことができます。

キャリアアップ助成金の正社員転換コースの受給方法の流れは、以下の通りです。

  1. キャリアアップ計画書を提出し、労働局の認定を受ける
  2. 労働協約や就業規則等の転換制度を規定し、労働基準監督署に届出をする
  3. キャリアアップ計画期間内に正社員または無期雇用労働者への転換をする
  4. 転換後6ヶ月分の賃金を支給後、支給申請を行う
  5. 支給決定

それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

1.キャリアアップ計画書を提出し、労働局の認定を受ける

雇用保険の適用事業所にキャリアアップ管理者を配置するとともに、キャリアアップ計画書を作成します。

キャリアアップ計画書を作成したら、管轄の労働局に提出し、労働局長の認定を受けます。

2.労働協約や就業規則等の転換制度を規定し、労働基準監督署に届出をする

労働協約や就業規則等の転換制度があらかじめ規定されている場合には、その内容を労働基準監督署に届出をします。

また、労働協約や就業規則等の転換制度がない場合には、転換制度の内容を追記したものを労働基準監督署に届出をしましょう。

3.キャリアアップ計画期間内に正社員または無期雇用労働者への転換をする

キャリアアップ計画期間内に、労働協約や就業規則等の転換制度に従った試験や面接を行い、正社員または無期雇用労働者への転換を行います。

その際には、対象労働者に転換後の労働条件通知書(雇用契約書)を交付します。

4.転換後6ヶ月分の賃金を支給後、支給申請を行う

転換後6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日から、起算して2か月以内に支給申請を行います。

5.支給決定

助成金の支給が決定されると、支給決定の通知書が交付され、申請時に指定した口座に助成金が振り込まれます。

 

 

 

 

 

キャリアアップ助成金を活用して正社員を増やそう!

キャリアアップ助成金は、非正規労働者のキャリアアップを目的とした制度になります。

例えば、新卒採用であり、最初の雇用契約は有期雇用契約であったとしても、従業員が優秀であると判断できる場合には、正社員として採用したいと思うこともありますよね。

正社員への転換が厳しいという会社であっても、上記の基準を満たした上で転換できるように制度を改定すれば、助成金を受給することができます。

正社員への転換が可能になれば、従業員の雇用条件がさらに良くなるほか、会社としても責任感のある優秀な人材を確保することにも繋がります。

事業の生産性を高めるためにも、上記を参考に制度をうまく利用して、助成金を受給して会社のために活用しましょう(^^♪

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