有給休暇無理矢理取らされるのは違法?強制された場合は休むべきか

有給
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「人出が足りているから、明日は休んでいいよ」

「仕事がないから有給を使ってください」

などと言われ、無理やり有給休暇を取らされたことのある人もいるのではないでしょうか。

しかし、有給休暇というのは、本来、自分の意志で、取りたいときに取るものではないのでしょうか。

そうは言っても、会社側としても、仕事を与えることができない場合や人員が余っているなどといった仕方ない事情がある場合もあります。

そのような場合には、このような対応をされたら、従うしかないのでしょうか。

そこで、ここでは、有給休暇を無理矢理取らされるのは違法なのかどうかということについて、くわしく見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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有給休暇の取得を強制した場合は違法となる!

入社から6ヶ月後すると、正社員など通常の労働者の場合には、10日間の有給休暇が付与されます。

その後は、1年ごとに有給休暇が付与されますが、勤務年数に応じて日数は増えていきます。

そして、有給休暇の取得に関して、労働者には、時季指定権というものがあります。

労働者が、この時季指定権を行使し、有給休暇を取得したい日を指定して申請した場合には、使用者が時季変更権を行使しない限り、自動的に有給休暇は成立します。

このように、有給休暇は、労働者が時季指定権を行使して、初めて成立します。

そのため、会社側から、「いついつに有給休暇を取るように」と無理矢理、取らせることはできないということになっています。

 

無理矢理休ませた場合は休業手当を支給するべき?

それでは、もし、会社側の都合で、労働者に休みを取らせた場合にはどうなるのでしょうか。

労働基準法においては、以下のように定められています。

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない
(労働基準法第26条)

そのため、会社側の都合で、労働者を休ませる場合には、有給休暇を取らせるのではなく、平均賃金の6割を支給して休業させる必要があります。

 

使用者の責に帰すべき事由による休業とは?

平均賃金の6割の休業手当を支給する必要があるのは、使用者の責に帰すべき事由による休業と定められています。

それでは、この使用者の責に帰すべき事由による休業とはどのようなものなのでしょうか。

これは、事業の外部から発生したものである場合や、事業主が経営者として最善を尽くしても避けられなかった場合以外となります。

このような不可抗力の場合には、該当しないとされていますが、経営不振や業務に関することなどは、使用者の責に帰すべき事由による休業とみなされています。

ちなみに、新型コロナウイルスに関する休業であっても、都道府県や国の休業要請ではなく、自己判断での休業は、使用者の責に帰すべき事由による休業となります。

 

有給休暇を強制した場合は違法?

会社の都合において、労働者を休ませる場合には、有給休暇ではなく、休業手当を支給することになります。

しかし、賃金の6割の支給であれば、休業手当よりも、有給休暇を取る方が得をするように思えるかもしれません。

そのため、会社側として、有給休暇を取得することを提案する場合もあるかもしれません。

もし、会社側が、有給休暇の取得を強制したのではなく、あくまでも推奨したのであれば、労働者は、それらを踏まえて自分で判断すれば良いでしょう。

しかし、推奨ではなく、強制となってしまうと、会社側の行為には、違法性が発生してしまいます。

 

 

 

 

 

会社が強制的に有給休暇を取得させられる場合がある?

このように基本的には、有給休暇の取得は労働者の権利であり、時季についても自由となります。

しかし、会社側が、強制的に労働者に有給休暇を取得させられる場合というのもあります。

 

有給休暇取得が義務化された?

2019年4月から、働き方改革関連法施行にともなって、有給休暇に関する労働基準法が一部改正されました。

これによって、年10日以上の有給休暇が与えられる労働者に対して、有給休暇のうち、5日は、使用者が時季を指定して有給休暇を取得させることが義務となっております。

ただし、10日以上付与される労働者であっても、自分の意志で5日以上の有給休暇を取得している場合には、使用者にこの義務は発生しません。

 

有給休暇の計画的付与制度とは?

また、有給休暇の計画的付与制度というものもあります。

有給休暇の計画的付与制度とは、全労働者を同一の日に休みにしたり、グループや部署ごとに休みにしたりするものとなります。

この制度を使うと、会社は、労働者の有給休暇のうち、5日を超える部分については、時季を指定して、休暇を取得させることが可能となります。

計画的付与を行うには、有給休暇の計画的付与を実施することを、労使協定の合意で可能とすることを就業規則等に明記します。

そして、労働者の過半数で組織する労働組合、または、労働者の過半数を代表する者との間で書面での労使協定を行います。

 

有給休暇の時季変更権とは?

有給休暇は、労働者が希望する時季に取得させる必要がありますが、会社には、これを断る権利というのもあります。

これを時季変更権と言いますが、事業の正常な運営を妨げる場合には、会社側は、有給休暇を取得する時季を変更してもらうことが認められています。

しかし、法的には労働者の持つ有給休暇取得の権利の方が強いので、使用者が有給休暇の時季変更権を行使できるのは、限られた場合のみであると認識していただく必要があります。

 

 

 

 

 

労働者の権利を正しく行使できるように!

仕事がないから、人出が足りているからと、無理矢理に有給休暇を取らされることについて、「休めるだけマシ」といった意見も多いようです。

しかし、そもそも、有給休暇が取れない、取りづらいという、労働環境は間違っているのです。

有給休暇は、会社や上司から与えられるのではなく、労働者に権利として付与されるものなのです。

そのため、権利は正しく行使できるように、きちんと知識を身に付けることが重要です(*^^*)

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